学術書企画・編集『税制研究』

学術企画書・編集『税制研究』

『税制研究』の紹介

1962年12月に創刊。当時は税金に関する専門誌のほとんどが、政府側からの主張や解説によって埋め尽くされていました。税金に関する系統的な批判をしている出版物が少なく、「税金は重い、不公平だ」という常にある声に納税者側からの主張や解説をしている出版物もきわめて少ない時代でした。
そこで、憲法の原理に則って最大限に保障される納税者の権利を擁護する立場から、財政及び税制に関する批判を中心にした『税制研究』を発行することになりました。
この雑誌は、

  1. 税制と税務行政の民主化のために、納税者側からの批判をおこなう
  2. 納税者側の権利保障に役立つ様々な解説をおこなう
  3. 第一線税務職員のための様々な解説をおこなう

という使命を持っています。
現在は税制及び財政に関する出版物は多くなり、それぞれ貴重かつ有益なものではありますが、どちらかというと“How to”ものが多く、理論や制度に切り込むというものが少ないように思われます。『税制研究』はどちらかといえば批判的な眼でその隙間をふさぎたいという思いを持っております。
編集の責任者であった故谷山治雄は、本誌創刊号の趣旨のなかで「どの世の中にも批判のないところに進歩はありません。とりわけ税金というものが権力的なものであり、いわゆる当事者間の“話し合い”できまるという性質を持ったものでないだけに、いっそう税金に関する批判はたいせつだと思います。」と述べています。『税制研究』はこれからも納税者側からの批判的な視点を大事にして発行を続けまいります。

『税制研究』の編集については故谷山治雄がその中心となって、40号までを税制財政研究所、41号から51号まで谷山税制研究所、52号から67号までを谷山財政税制研究所、68号から当記念財団が編集を担当しております。

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