財政及び税制に関する研究の表彰
財政・税制に関する研究者の研究を奨励することにより、財政・税制の分野の研究にさらなる発展・啓発に寄与することを目的としています。
選考は、理事会によって選出された委員で構成する委員会によって行います。選考委員は当財団のメンバーのほか、財政・税制の分野に精通した大学教授や研究者から選任して、直接の利害関係者は審議・議決に参加できないこととして公平性を保ちます。
選考審査の委員は、財政学・租税学・税法学・税務会計学の分野に精通した大学教授や研究者などから構成されます。
「谷山治雄賞」表彰式の開催
日時 | 2019年3月26日(火) 午後1時 |
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出席者 | 公益財団法人 谷山治雄記念財団 代表理事安藤 實、 理事荒川 俊之、監事林 清氏 |
受賞者 | 富岡 幸雄中央大学名誉教授・商学博士 |
場所 | 受賞者のご自宅 |
受賞論文 | 学術書『税制研究』No.64(再刊第24号) 創刊50周年記念号 2013年7月 消費増税は「アベノミクス」の崩壊を招来 −「正しい景気対策」の断行こそが急務 − 表彰状と副賞を贈呈 |
受賞理由 |
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このたび学術書『税制研究』において表彰する富岡先生のご論稿は、「アベノミクス」の失敗を予見するとともに、消費税増税に反対し、あるべき財政方針を提案する構成となっております。 「アベノミクス」の3本の矢のうち、第一の矢・「金融緩和」については、主としてリフレ派の論点を取り上げ、その批判を詳細に展開されております。第二の矢・「財政出動」の「骨太方針」については、「税制の総動員」なる表現で、「消費増税」の既成事実化を目論む政治謀略」と喝破されております。さらに、「アベノミクス」の本命とされた第三の矢たる「成長戦略(女性活躍・国際競争力・民間活力」)については、その内実が政権の支持基盤たる業界を意識するもので、「急所を避けた規制改革」にとどまり、「ビジョンと希望の単なる羅列、空虚な大風呂敷」で、「具体的道筋が見えない」と酷評されております。 富岡先生のご論稿の特徴は、これらの批判に止まらず、合わせて対案が示されていることです。「民間活力」では、全法人数の99.7%、従業員数の75%を占める中小企業の活性化策こそ、「日本経済全体の活性化に効果がある」と主張されております。財政面では、消費税増税の凍結と合わせて、「応能負担」原則に基づく税制の革新こそ、財政健全化に連なると主張されております。 この富岡先生のご論稿は、本誌の第一回谷山治雄賞を受けるにふさわしいものです。 |
次回の表彰は2023年度に実施の予定です。